静岡県 / Shizuoka

山村ヒデト / Hideto YAMAMURA

Profile: 埼玉県在住のイラストレーター。透明水彩を使い、仕事に応じて様々なものを描いています。

Website: https://hideto-yamamura.jimdofree.com/

天竜川 / The Tenryū River

長野県の諏訪湖を起点に南に流れ下る川があります。天に竜が昇るが如く「天竜川」と名付けられたその川は、やがて静岡県西部の磐田市と浜松市の境を流れて太平洋へと注ぎ込みます。

子供の頃から川遊びが好きだった私にとって身近な存在であったこの川は、特別な思いのある故郷を代表する風景です。

(天竜川の名前の由来には諸説あります)

川岸からグッとせり上がった堤防の上を道路が走る。見晴らしが良くて信号機の少ないこの道を何度通ったことだろう。川辺の木々は季節とともに形を変え、山の峰々はその色を変える。車窓から眺める風景は、いつも季節のうつろいを感じさせてくれる。
(磐田市「かささぎ大橋」から上流を望む)

緩やかに流れる船明(ふなぎら)のダム湖。競技ボートの会場として有名なこの場所には「月」という地名が付いている。かつて、少数の家来を伴いこの地に落ち延びた源氏一族の一人が「やがて満月のように発展しよう」と願い名付けたのが由来だという。
(浜松市天竜区月付近から上流を望む)

「川霧がお茶を美味しくする」とはよく聞く話。だがそれでこの段々畑を作り出せるのか…と、先人の決意と苦労を想ってゾッとした。切り開くことは本当に大変だが、受け継ぐのもまた大変。山で暮らす人々がいるからこそ生まれた風景を、この先いつまで見続けることができるのだろう。
(浜松市天竜区龍山町「瀬尻の段々茶園」から望む)